2019年、神奈川県大和市に住む上田綾乃(うえだあやの)容疑者が、自身の次男を殺害した容疑で逮捕されています。
上田綾乃容疑者の、生い立ちを調査。父親と母親を早くに亡くし、高校を中退した過去。本家と分家のしがらみ。弟を育てた上田綾乃容疑者が代理ミュンヒハウゼンになった理由を見てゆきます。
上田綾乃容疑者の生い立ち
神奈川県大和市の自宅で2019年、当時、小学1年生で7歳の次男を、窒息させて殺害したとして母親の上田綾乃容疑者が逮捕されています。
今回の逮捕は、次男の雄大くんの殺人容疑に関してでしたが、上田綾乃容疑者には、これまでに次男を含め4人の子供がおり、後の3人が3人とも、幼くして亡くなっていることが分かっています。警察は次男以外の子供たちについても、上田綾乃容疑者に事情を聴く方針です。
上田綾乃容疑者は、警察の調べに対して、「何もしていないです」と容疑を否認しています。
- 名前:上田綾乃(うえだあやの)
- 年齢:42歳
- 住所:神奈川県大和市西鶴間
- 職業:看護助手(自称)
- 容疑:次男殺害の殺人の容疑
上田綾乃容疑者は、「子どもが急に苦しみだした」という趣旨の119番通報をして、次男は病院に搬送された際、次男には持病はないにもかかわらず、「ぜんそくの持病がある」とうその説明をしていました。
また、上田綾乃容疑者が119番通報をしたのも、次男の容態がおかしくなって直ぐではなく、1時間後の連絡だったとみられています。救急隊員が、通報から5分で現場に駆け付け亡くなった次男に触れた際、既にかなり体温が下がっていました。
そんな鬼畜な母親の上田綾乃容疑者は、どんな生い立ちだったのでしょう。
上田綾乃容疑者は、神奈川県横浜市の住宅街で生まれ育っています。上田容疑者には弟が二人いて、末の弟とは10歳近く歳が離れています。
上田綾乃容疑者は、地元の公立小学校、公立中学校を卒業し、横浜市内の商業高校に入学しています。一家5人で生活していましたが、父親が職場で急に倒れて亡くなってしまいます。病死だったといいます。
そして、その後、お母さんはガンを患い闘病。上田綾乃容疑者はお母さんを看護しながら弟二人の面倒を見て暮らしていましたが、お父さんが亡くなった2年半後にお母さんも他界してしまいます。乳がんだったと思われます。
こうして、上田綾乃容疑者には、家族と呼べる存在が自分とは年の離れた弟だけということになってしまいます。
上田綾乃容疑者は分家で本家に見放されていた
上田綾乃容疑者の父親は、電気関係の職人だったようで、次男でした。
上田綾乃容疑者の祖父は大正生まれで、NHKの職員でした。大正生まれということは、戦後の日本が復興する時期からNHKの職員として働いていたことになり、当時としては超エリートでした。その上、とても厳粛な人だったといいます。
上田綾乃容疑者の祖父は、長男に家督を継がせたかったようで、就職の世話も長男には積極的にするも、次男である上田綾乃容疑者の父親には、何もしてやりませんでした。次男の上田容疑者の父には、近くに家を建ててやったことで、してやることはやったという感覚だったようです。
そして、それ以降は、お正月にお年玉をもらいに本家に行く程度で、ほとんど交わりは無く絶縁状態でした。実際、上田綾乃容疑者と同じ学校に、本家の従兄弟も通学していましたが、話すことは無かったといいます。
そのような「本家」と「分家」の関係の中で育ち、両親が亡くなってしまった上田綾乃容疑者に、普通は差し伸べられるであろう本家からの助けは一切ありませんでした。
それほど、「本家」と「分家」は絶縁状態だったということになります。
上田綾乃容疑者は高校中退
上田綾乃容疑者は、先ほども触れましたが、横浜市内の商業高校に進学しました。しかし、父親の急死の後、母親の顔の闘病などもあり、高校生活を諦めざるを得ず、中退しています。
その当時の上田綾乃容疑者のことを「会えば挨拶をしてくれる落ち着いた雰囲気の子でした」と上田綾乃容疑者を知る人が証言します。
さらに、「お母さんがガンを患い、高校は中退して、自宅で介護しながら綾乃ちゃんがお母さん代わりとなって幼い弟さんのお世話もしていました。兄弟で暮らし始めて自宅の庭で花火をしていた時に、木に引火してボヤ騒ぎなどを起こしたこともありましたね。生活はとても大変そうでした」とも話していました。
上田綾乃容疑者の実家で始まった元夫との生活
その後、結婚した上田綾乃容疑者は、元夫の間に第一子である長男を授かります。元夫について、実家の近所の人は、「やせ形で若い、おとなしい旦那さんでした」と、当時の元夫のことをそう話していました。
さらに「綾乃ちゃんが妊婦のときに『体を冷やさないようにね』って話したら、『そうですね。ありがとうございます』って、その時は幸せそうに見えました」とも。それが2002年のこと。
近所の人に上田綾乃容疑者は、「心臓が良くないんです」と話していました。そして、その当時上田綾乃容疑者はタバコを吸っていて、そのせいで心臓が悪いのでは?と近所の人に思われていたようです。
その頃、変った事というと、「日中から深夜まで何度も救急車を呼んでいたのを覚えています」と近所の方。近所の方は、赤ちゃんの泣き声が消え入るかと思っていたら亡くなっていたと話しています。
そして、翌年、今度は長女が誕生しましたが、2003年に長女は生後1カ月で病院を退院した後、2日後、当時住んでいた横浜市瀬谷区の自宅で急死しています。
死因は長男が「ミルク誤飲による窒息」、長女は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と判断されています。
この長男と長女は、前夫との子供でした。
そして、今回亡くなった次男と三男は内縁関係の夫との子供ということで、17年に亡くなった三男は、司法解剖の結果、死因不詳ということになっています。
亡くなった子供4人とも、母親と2人っきりの時に亡くなっているといいます。
上田綾乃容疑者が疑われる「代理ミュンヒハウゼン」とは
上田綾乃容疑者は、自身が生んだ4人の子供をことごとく亡くしてしまっています。過去に、子どもを2人亡くしていたことを知っていた児童相談所は、次男を保護していました。
その際、上田綾乃容疑者は「代理ミュンヒハウゼン症候群」ではないかと疑っていたようです。
「代理ミュンヒハウゼン症候群」とは、いったいどんな病気なのでしょうか。
「子どもに病気を作り、かいがいしく面倒をみることにより自らの心の安定をはかる、子どもの虐待に
おける特殊型です。加害者は母親が多く、医師がその子どもに様々な検査や治療が必要であると誤
診するような、巧妙な虚偽や症状を捏造します。
加害者は自分が満足できる結果がでて、処置をしてもらえるまで「その」状態を続けるため、必要の
ない検査が延々と続くことになります。加害者が医療者の注意を十分に引きつけることができないと、
子どもの症状がどんどん重篤になり、致死的な手段もいとわなくなることがあるので、十分注意が必
要です。」
つまり児相は、上田綾乃容疑者が、代理ミュンヒハウゼン症候群なので次男の雄大くんを母親の元には返したくなかった。
神奈川県の児童相談所は、過去に2回次男を保護していました。2回目に保護した際に施設入所措置の方針を決めたのですが、母親から同意を得ることが出来ず、裁判所も児相の申し立てを却下してしまい、次男は上田綾乃容疑者の元に帰ることとなります。そして、その8か月後に次男は死亡するのです。
上田綾乃容疑者の元夫の証言
前述した様に、当時、上田綾乃容疑者の実家に住んでいた第一子の長男と第二子の長女の父親で上田容疑者の元夫が、上田綾乃容疑者について証言しています。
上田綾乃容疑者の次男が、児童相談所に保護された際、児童相談所から息子を取り返すために、過去に死亡したきょうだいの死亡診断書を元夫から取り寄せていました。
そのことについて、元夫は、「『取り返したい』『自分で育てたい』と。(長男と長女の)死亡診断書があれば、(雄大くんを)取り返せるかもしれないから、(死亡診断書は)あるかって連絡が来て、あるから持っていこうかと渡したことはある」と証言。
上田綾乃容疑者が、児童相談所から次男を連れ戻すために、必死だったことがわかります。上田綾乃容疑者は、次男が保護される前に児相職員に対し「息子は絶対渡さない!二度と来るな!」「犯罪になっても構わない」などと暴言を言っていたようです。
それだけ自分の手元に、次男をおいておきたかった。
さらに、元夫は、上田綾乃容疑者について「不審な点は無かった」といい、「(上田容疑者は)おれとしては普通の子でしたね。すごく気を使ってくれたり優しかった。(長男と長女)2人ともおれが仕事行ってる間に危篤状態だと連絡あった。(上田容疑者は)火葬のとき堪えきれなくて。帰るときとか涙が止まらなくて、そのまま車を運転しているような状態」であったと証言しています。
上田綾乃容疑者が代理ミュンヒハウゼン症候群なのは生い立ちが関連
これまで見てきましたように、上田綾乃容疑者の生い立ちは壮絶なものでした。10代半ばで両親を失い、後ろ盾もないまま年の離れた弟二人を育てながら生活するという、不幸を絵にかいたような人生でした。
しかし、両親を失い、せっかく入った高校もやむなく中退し、必死に頑張っている上田綾乃容疑者を、近隣住民や学校、周りの大人たちは、気の毒に感じていました。
上田綾乃容疑者はそんな周囲から集まる同情にも似た視線を敏感に感じ取り、自身の密かな心の支えとして安定させていたのかもしれません。
上田綾乃容疑者の大事な家族である父母を亡くしたことで、周りの大人たちが自分に対して注目し、同情してくれることを快感に感じ、周りに注目され無くなったり、面白くないことが起こったりしたとき、再び自身の家族を失えば同情され注目されるという感覚に陥り、自身の子供を殺害することで上田綾乃容疑者の心の安定につながったのかもしれません。
しかし、理由が病気であろうがなんであろうが、人を殺めるということがいいわけがありません。上田綾乃容疑者には真実を話して欲しいと思います。
上田綾乃被告が再逮捕【追記】
神奈川県大和市で2,019年に、当時7歳だった次男を窒息死させたとして、上田綾乃被告が殺人容疑で逮捕された事件で、17年に死亡した三男(当時1歳)についても、殺害した疑いが強まったとして、神奈川県警は、上田綾乃被告を殺人容疑で再逮捕する方針を固めています。
横浜地検は、上田被告の事件当時の刑事責任能力などを調べるため鑑定留置を行っていて、刑事責任能力が問えると判断した模様です。
取り調べに対し、上田綾乃容疑者は「やっていません」と容疑を否認しています。
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