2月20日の朝、広島の名物にもなっている広島電鉄(広電)の「路面電車」で衝突事故が発生。
乗用車と電車が衝突し、あまり見ることのない悲惨な脱線の仕方の画像をチェック。最新の電車の脱線の様子を見てみます。そして過去のこの区間で起こった事故を調査。魔の区間なのかも調べます。
広島電鉄が衝突脱線事故の現場画像
2月20日午前7時25分頃、広島市西区己斐本町の新己斐橋西詰付近で、広島電鉄の広電宮島口発広島駅行き路面電車と乗用車が衝突し電車が脱線する事故が起こりました。
電車は、反対車線の車道付近まで飛び出ており、復旧までにはかなり時間を要する見込みとなっています。
広島は、日本でも少なくなった、路面電車が生活の一部となっていることでも有名ですが、その路面電車の衝突脱線事故です。
さらに言うと、この路線は世界遺産の「原爆ドーム」と「厳島神社(宮島)」を結ぶ広島電鉄にとってはドル箱路線。その路線で起こった事故ということになります。
実際の事故現場の画像がこちら。
この事故、電車は、西広島駅(己斐駅)から東に向かって移動していて、北から太田川沿いの道路を走ってきた乗用車と衝突。衝突の勢いで、交差点内から新己斐橋にかかるところまで脱線して移動して停車した模様です。
他の画像を見てみると、
脱線した電車は、反対車線の電車の線路を通り越して、反対車線の車道にまで飛び出ていて、この事故の衝突の凄まじさがわかります。
そして、再び現場に目を移してみると、
衝突を避けたからなのか、他の車も見えたりしています。
この事故のため、電車が不通となっているため、電車での移動を諦めて、バスに乗り換えた人もいました。
バスに乗り換えた方が録った画像がこちら。
この画像だと反対の道路の車線にまではみ出て、危険な状態だったことがわかります。
広島電鉄(広電)のHPでは代行運航の状況が更新
そして広島電鉄(広電)のホームページでは、
「現在、新己斐橋西詰交差点において乗用車との事故が発生し車両が脱線しております。それに伴い、2号線および3号線においては下記の通り運行経路を変更しております。復旧にはかなりの時間がかかると思われ、随時情報更新いたします。大変ご迷惑をおかけしております。
●運行経路変更状況
・2号線
広電宮島口〜広電西広島間での運行(広電西広島〜広島駅間は運行見合わせ)
・3号線
十日市町〜広島港間での運行(広電西広島〜十日市町間は運行見合わせ)
上記より、広電西広島〜十日市町間において、電車の運行を見合わせております。
※10:50更新
10:50現在、西広島駅(己斐)バス1番乗り場から十日市町間において、弊社バスによる代行輸送を行っております。電停に対応した停車場所は下記をご確認ください。
電停 バス停
広電西広島 → 西広島(己斐)
福島町 → 西区役所前
西観音町 → 西区役所前
観音町 → 天満町
天満町 → 天満町
小網町 → 堺町
土橋 → 堺町
十日市町 → 十日市」
広島電鉄のホームページでは、運行状況が随時更新されていました。
広電の電車脱線事故の撤去作業始まる
そして現場では、既に事故を起こした乗用車と電車の撤去作業が始まっていました。
その画像がこちら。
乗用車からの撤去になるのは当然でしょうが、電車となると簡単にはいきません。まだまだ時間はかかりそうな状況です。
広島電鉄の電車衝突脱線事故の現場を地図で確認
広島の名物とも言われる路面電車は、なぜ有名なのかというと、いまだに市民の足となっていて、広島市民の生活に根付いているからでもあります。ほかの都市では、路面電車は自動車社会となった今はすたれた存在で、電車は地下を走る地下鉄が主流です。
しかし、広島市は、川の水が運んできて出来た三角州の土地だと言われ、地盤が柔らかいため地下鉄には向かないということで、路面電車が残っていると言われています。
広島市内を、路面電車がどのように走っているかを路線図で見てみると、
このように、旧広島市内を網羅しており、広島駅から原爆ドームを通って宮島口まで行けるようになっています。実は、JRで、広島駅から宮島口まで行った方が時間がかからないのですが、観光客や修学旅行生、そして鉄道マニアの人達には、時間がかかっても、この「風情」が人気のようです。
そして、もう一つ。広電の電車が人気となっている理由は、全国各地を走っていた電車、あるいは外国の電車を広電が買い取り、広島市内を走らせたりしています。、しかし、古い電車だけでなく最新型の電車も導入しており、電車の博物館となっているからなのです。
そして、今回の脱線事故ですが、この路線図の左端の「広電西広島」から「福島町」の間で起こった事故でした。その間には川が通っていますが、それが「太田川放水路」で、その橋の西側で事故が起こっています。
「広電の接触事故、最新の5206Fかよ…よりによってなんで…
自家用車とか電車と事故るマジで害悪な存在でしかないんで法律で禁止すべきですね(鉄オタ過激派)」
ちょっと過激なツイートではあるのですが、このツイートにもあるように、どうやら事故を起こした車両というのが、最新型の電車だったようです。
広島電鉄「西広島~福島町」区間の過去の事故
実は、「広電西広島」と「福島町」の電停の間では、つい最近も事故が起こっていました。
その事故というのが、2021年12月15日のこと。今回の事故の2か月前の事故です。
「広島市西区福島町2丁目の広島電鉄の福島町電停で、軽トラックが電停のホームに乗り上げ、宮島発広島駅行きの路面電車と接触した。広島電鉄によると、事故処理などのため、西広島―土橋間で一時運転を見合わせた。」出典:https://www.chugoku-np.co.jp/
その事故の状況というのがこちらの画像です。
この事故も、「広電西広島~福島町」の区間の事故で、福島町の電停に軽トラックが突っ込んで電車と接触したものでした。
実は、この路線に限らず、広島市内では電車と自動車の接触事故が、結構起こっています。
その理由としては、
「広島でクルマ乗るときー
①右折の前に後ろから広電が走ってきてないか後方確認を念入りにやるー
②右折のとき横断歩道を自転車がすごい勢いで走ってきてないか念入りに確認するー
これやらないとすぐ事故ります」
このツイートにもあるように、電車の軌道敷が道路の中央を通っているため、交差点での接触事故が多くなっています。
ほかの地方から広島に着たとき、電車の軌道敷が道路中央を通っているので、「どうして運転したらいいかよくわからない」といった声をよく聞きます。不慣れな路面電車対応が事故を招くこともあるようです。
広島市民も、他府県から広島に訪れる人も、広島市内を運転する時は路面電車には気をつけましょう。
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